『お母さんからのひと言』(9月生活表より)

 新学期早々、バザーの準備の忙しさについかまけて朝のご挨拶もそこそこに息子を預けてしまった私の傍らで、長いお休み明けでお母さんと離れられず涙する花組のお友達。可愛らしくて思わず笑みがこぼれ、同時に我が子の来た道を思い出します。

初めてマリアの教会玄関に立ったのは2年前の9月、入園説明会でした。厳かな佇まいのお礼拝堂を前にドキドキする私をよそに、より緊張が激しいはずの息子は意外にもすんなり靴を脱ぎ、笑顔の先生に導かれるまま自然に階段を上がっていました。

 それまで実は10を越える園を見学していました。3歳にはなったけど、小さく弱く、まだ転んでばかりの息子が心配でなかなかよいご縁に会えません。近隣をあたり尽くし、ちょっと足をのばせばここに聖マリア幼稚園があるのは知っていましたが、送迎や行事が大変そう? 教会のことも何も知らないし。私にはなんだか敷居が高いかしら・・・などと親の都合からなかなか気が向かないなか意を決し訪れてみれば、今までと違う息子の様子。その驚きに肝心の説明会はうわの空。別室に預かっていただいて大丈夫かと気になり仕方ありません。

 私自身も今までの園と違う何かにひきこまれ、在園お母様との質問交流会まで参加し、更に園長先生をお引き止めして聞き逃したことをあれこれ質問、我が子の心配も長々と話してしまいました。終始笑顔の園長先生はそんな私の不安およそに、お母さん大丈夫、安心してお任せください。心配ごとはそのつど相談していきましょう。と。

 見ると息子はすっかり馴染んで遊んでいます。いつの間にか連れられてトイレにも行けた様子。外では初めてのことです。今までは年少児の教室が1階じゃないだけで候補から外れたりもしたのに、そんなことはどうでも良くなりました。ご縁とはこういうことか。

 ご縁は先生と子供にとってだけではありません。入園までは、誰ひとり知った人が居ないというのは親の私にとっても大きな不安でした。それが気付けば私自身も、園やお友達に少しでもお返しできればと、幹事としてお手伝いさせていただくまでになりました。息子ともども暖かく受け入れていただき、大きな家族のようなこのマリア幼稚園の中で、笑ったり泣いたりしながら一緒に成長させていただいております。

 今年もまた園児募集のポスターが貼り出され、気付けば私たちのマリアライフも折り返し地点。過ぎたことが懐かしく、弟妹さんのいらっしゃるお母様が羨ましくも感じます。悔いのないよう、これからの日々も大切に暮らしたいと思っています。

いつも皆さんに助けられ至らぬところばかりですが、今後とも宜しくお願いいたします。